日本精神保健福祉士協会
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イメージ[最新号のご紹介]
日本精神保健福祉士協会誌
精神保健福祉 通巻108号 Vol.47 No4,2016


巻頭言 相模原障害者施設殺傷事件に思う/水野 拓二

相模原障害者施設殺傷事件に端を発した本協会のこれまでの見解

特集 精神保健福祉法改正を現場から検証する─法改正をチャンスに転換できているか?

〔総説〕
精神保健福祉法改正を精神保健福祉士の立場で総括する/柏木 一惠
精神障害者の意思決定支援をめぐる精神保健福祉士の課題
─障害者の権利に関する条約と精神保健福祉法改正/岩崎  香

〔各論〕
保護者制度廃止に伴う医療保護入院手続きの変更における家族の同意、市町村長同意の運用について/前林 勝弥
医療保護入院者の早期退院に向けた退院後生活環境相談員のかかわりと地域援助事業者の紹介状況、および医療保護入院者退院支援委員会の開催とその意義について/澤野 文彦
地域援助事業者の役割と精神科病院との連携について/金川 洋輔
法改正に見る精神医療審査会活動と精神保健福祉士─精神医療審査会の合議体審査を中心に/四方田 清

〔実践報告〕
改正精神保健福祉法を活用して何を実践するか/長谷川 治
医療保護入院者の早期退院促進について─当院における慢性期入院棟の現状と課題/八田 智美
社会復帰病棟(精神療養病棟)における精神保健福祉士としてのかかわり/中島 拓人
地域援助事業者として、医療保護入院者へのかかわりからみえてきたこと/中野 千世

誌上スーパービジョン
Aさんとの4年間のかかわりを振り返って ──スーパーバイザー/柏木  昭

◇トピックス
「我が事・丸ごと」地域共生社会実現本部の設置=木太 直人

◇研究論文
精神障害者との日常生活場面における交流機会を活用した精神保健福祉士の専門性の変容とその要因─精神障害者フットサルの実践を通して/岡田 隆志・松本すみ子

情報ファイル
第5回日本精神保健福祉学会全国学術研究集会=吉池 毅志/一般社団法人日本精神保健福祉士養成校協会2016年度全国研修会=茶屋道拓哉

リレーエッセイ/あずましい暮らしを求めて/山田  伸
連載/実践現場からのつぶやきコーナー「P子の部屋」
・協会の動き/坪松 真吾
この1冊/田中 和彦・北澤  徹
・投稿規定
・協会の行事予定/335  想いをつなぐ〜災害とソーシャルワーク〜(16)
・2017年開催 精神保健福祉関連学会・研究会一覧
・『精神保健福祉』総目次
・通巻105〜108号


巻頭言

相模原障害者施設殺傷事件に思う

鷹岡病院 水野 拓二

 2016(平成28)年7月26日午前2時半過ぎ、相模原市にある障害者支援施設「津久井やまゆり園」で入所者46人が殺傷されるという事件は、われわれに大きな衝撃を与えた。お亡くなりになった方々、ご家族、施設職員ですら、施設という環境で安全、安心を疑わずにいたところの突然の凶行により、命を奪われたことは、限られた時間の中で、寄り添い支える思いでいたご家族等の方々の悲しみは筆舌に尽くし難い。また、この惨事に巻き込まれ重軽傷を負った入所者、ご家族はもちろんであるが、元同僚がこのような凶行に及んだことで、施設職員も含めた関係者がこころに負った衝撃はすぐには整理できるものではない。長期にわたる場合にはこころのケアに対する十分な配慮、体制整備に向けた取り組みも必要になり、そういった場合にはわれわれ精神保健福祉士の果たす役割も大きいと考える。

 今回の事件経過を整理してみると、被疑者は優生思想、差別思想にとらわれた犯行予告と取れる行動から、緊急措置入院となった。その後の検査で「大麻」の陽性反応が出たことから「大麻精神病」「妄想性障害」と診断され、措置入院となったが12日間で措置解除となり退院した。事件発生後のこの経過を問題視し、早い段階で厚生労働省内に事件の検証、再発防止や措置入院制度の見直しなどについて検討チームが立ち上がり議論され中間のとりまとめなどが示された。この一連の経過において本協会も7月、8月と2度の見解を表明し、10月には団体ヒヤリングで意見を述べている。また、11月には「措置入院制度の見直しに関する要望書」も提出している。

 現在、既定路線のように措置入院の見直しで議論が終結の方向に向かっていることに違和感と危機感を強く覚えた執行部は、本件において今後も動向を注視し、多角的な視点からの意見、見解を取りまとめ、発信する必要があるとした。構成員諸氏においては、この議論に今だからこそ、多くの意見を寄せていただきたいと切に願う。


特集 精神保健福祉法改正を現場から検証する─法改正をチャンスに転換できているか?

 1950(昭和25)年に精神衛生法が制定されて以来、この法律は何度も改正されてきた。

 直近の動きでは、7月に相模原市にある障害者支援施設で発生した凄惨な殺傷事件を受けて、被疑者に措置入院歴があったことを理由に早い段階から措置入院制度のあり方が検討されており、その行方を注視していく必要がある。

 さて、今回は、大きな改正となった2013(平成25)年の改正精神保健福祉法施行から3年の見直しを節目ととらえ、この法改正をわれわれ精神保健福祉士がどのように理解し、実践においてどのように具現してきたのかについて、限りある誌面を用いてではあるが、浮かび上がらせることを意図し、この企画を編んだ。

 保護者制度の廃止とそれに伴う医療保護入院手続きの変更によって、入院に携わる機関にはどんな影響があったのか。退院後生活環境相談員が精神科病院に配置されて、医療保護入院者退院支援委員会はどのように機能しているのか。相談支援事業所等の地域援助事業者が医療保護入院者にかかわる機会は増えているのか。1年以上の医療保護入院者に対する退院支援や、任意入院に変更後の退院支援、医療保護入院者定期病状報告書への記載の実態はどうだろうか。何よりも、本人の権利擁護につながっているだろうか。そのようなことを検証したいと考えた。

 読者の皆様の中には、本誌101号(2015年3月発行)でもこの法改正を取り上げていることに気づかれた方がおられるだろう。101号のサブタイトル「法改正をチャンスに転換するために」と今号は、対になっている。法改正年度に発行された101号の空気感と、間もなく3年が経過しようとしている今とを誌上で引き比べることを通して、読者の皆様もまた、自らの位置を確認し、実践のあり方を問うていただければ幸いである。

(編集委員 川口真知子)



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